2024/08/01
「コンビニエンスストア(convenience store)」、通称「コンビニ」とは、経済産業省商業統計調査の業態分類による定義によれば、「飲食料品を扱い、売り場面積30㎡以上250㎡未満、営業時間が1日14時間以上のセルフサービス販売店」をいいます。
多くの人に利用される「コンビニ」に、普段何気なく立ち寄り、何気なく商品を購入していますが、この「何気ない行動」とは、実は「コンビニ」に「誘導された行動」なのかもしれません。
今回は、「コンビニ」がお客様に、いかにたくさんの商品を買ってもらうかを考え続け、人間の行動心理を研究してたどり着いたというセオリーを取り上げてみましょう。
■ 店内のレイアウト
お客様に1品でも多く買ってもらうためには「店内をできるだけ多く歩いてもらうこと」、そのためには、お客様がよく買う商品を店内の端に陳列して、レジまで壁伝いに移動させます。
そして、店内中央の陳列棚には、目的買いする商品(文具、日用品、調味料など)を陳列し、両端(エンド)はお客様の目に留まりやすい(衝動買いしやすい)ので、様々な工夫が凝らされています(特に衝動買いしやすいのは「レジ向かいのエンド」と「出入り口にあるエンド」です)。
また、店内で一番売れる場所は「レジカウンター周辺」で、「ついで買い」を誘います。
■ ゴールデンライン
日本人の平均の目の高さが約140cm、見る角度が下10度と考えると、最も目につきやすいのが、床から約135cm前後の高さになります。
この商品が見やすい高さの陳列棚は「ゴールデンライン」「ゴールデンゾーン」「ホットスポット」などと呼ばれ、店側が売りたい主力商品が陳列されています。
■ 雑誌コーナー
大抵コンビニの雑誌コーナーは、店内に入ってすぐの窓際、つまり、外から見えるように設置してあります。
お客様に雑誌を立ち読みさせることで、外から見て入りやすいお店だと認識させ、たくさん店内に入ってきてもらいたいという狙いがあります。
雑誌を立ち読みするためにコンビニに行き、そのついでに立ち寄ったコンビニで商品を買うという、雑誌の持つ高い集客効果も利用しています。
■ 関連商品を近くに並べる
関連製品を近くに並べると、つい隣の商品も「ついで」に買ってしまう「ついで買い」を狙ってレイアウトします(「お隣の法則」「振り返りの法則」といいます)。
例えば、パンのコーナーの後ろや近くに飲み物やデザートコーナーを設置し、「ついで」を誘います。
■ 照明の力で人を引きつける
コンビニが夜でも明るくしているのは、人間は明るいものに引かれるという性質を利用しているからです。
蛍光灯を入り口側の窓ガラスと平行に取り付けて、店内の光を少しでも店の外に出すことで「コンビニ」があることに気づかせ、フラッとお店に入るのを狙います。
ちなみに、家電量販店などの照明コーナーが店の奥に設けられているのもこの性質を利用しているからで、お客様を店の奥に導いて、店内の他の商品を目にする機会を増やして売上を上げています。
いかがでしたか。
もし、「コンビニ」で「買いたい衝動」をくすぐられた時には、ぜひ思い出してみてくださいね。
お問い合わせは、ホームページ「お問い合わせ」から、お気軽にお声がけください。
ついでに、一番よく売れる場所「レジカウンター周辺」に、「和菓子」を置く理由を知っていますか。
それは、コンビニの客層を広げるために、高齢者をターゲットにしているからだそうで、高齢者が来店した時に和菓子をすぐに見つけられるように、目立つ場所であるレジカウンターに置いているそうです。
[ 一般社団法人 目白心理総合研究所 ]
臨床心理士 / 公認心理師 / キャリアコンサルタント / CEAP / EAPコンサルタント / CBT Therapist®︎ / CBT Professional(EAP) / CBT Extra Professional ®︎
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