2024/02/07
私たちは、人生において常に選択を迫られ、その都度、何かしらの決断をしながら生きています。
例えば、受験や仕事、マイホームの購入といった大きな選択もあれば、買い物やお店探し、右か左かといった小さな選択まであります。
しかし、選択を行った後で、「もし~だったら…だろうに」と、選ばなかった方の選択肢について考えることがありますよね。
このように、事実に反して仮想することを「反実仮想」といいます。
選択した後で悔いることを「後悔」といいますが、「後悔」には「行為後悔」と「非行為後悔」の2種類があります。
「行為後悔」とは、「行動しなければよかった」と後悔することであり、「非行為後悔」とは、「行動すればよかった」と後悔することです。
例えば、限定品の高いスイーツを迷いながら買って、結果、全然おいしくなければ「買わなければよかった」と「行為後悔」が生じますし、一方、迷っている間に完売してしまい、買うことができなかった場合は、「すぐに買えばよかった」と「非行為後悔」が生じます。
「行為後悔」と「非行為後悔」は、どちらも同じ「後悔」なのですが、実は「非行為後悔」の方が「後悔」を引きずってしまう、すなわち、「やった後悔」よりも「やらなかった後悔」の方が長引いてしまうのです。
それは、「行為後悔」は、すでに結論が出ているので反省しやすいのに対し、「非行為後悔」は「こうしていたら…」「ああしていたら…」と、「反実仮想」がどんどん湧き上がってくるからなのです。
ずばり、「やらない後悔よりやった後悔のほうがいい」
松下電器(現:パナソニック)を一代で築き上げた松下幸之助の言葉ですね。
また、右か左かという選択肢における、「右にすればよかった」または「左にすればよかった」という「後悔」では、選ばなかった方を「よく知らない」ほうが「後悔」が大きくなるという研究があります。
つまり、捨てた選択肢に対して感じる「後悔」の大きさは、捨てた選択肢について正確な情報を知っている人よりも、何も知らない人の方があれこれ「反実仮想」が湧いてくるので、「後悔」が大きくなっていくようです。
さて、人間は人生の中で「後悔」を積み重ねますが、死の際で一体何を「後悔」するのでしょうか。
数多くの患者を看取ったオーストラリアの女性介護人ブロニー・ウェア(Bronnie Ware)は、『死ぬ瞬間の5つの後悔』の著書の中で、多くの人に共通する死に際5つの「後悔」について書いています。
(1)「自分に正直な人生を生きればよかった」
(2)「働きすぎなければよかった」
(3)「思い切って自分の気持ちを伝えればよかった」
(4)「友人と連絡を取り続ければよかった」
(5)「幸せをあきらめなければよかった」
なんと、すべて「非行為後悔」なんです。
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一度きりの人生、我慢してやらなかったことを「後悔」するよりも、自分の思いを少しずつ行動にうつしていきませんか。
[ 一般社団法人 目白心理総合研究所 ]
臨床心理士 / 公認心理師 / キャリアコンサルタント / CEAP / EAPコンサルタント / CBT Therapist®︎ / CBT Professional(EAP) / CBT Extra Professional ®︎
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