2023/12/25
12月に入ると、街角には「クリスマスツリー」が飾られて、並木にはイルミネーションが灯り、あちらこちらで「クリスマスソング」が流れて「クリスマス」ムードを盛り上げています。
ご存じのとおり、12月25日は「クリスマス(Christmas)」ですが、前日の24日は「クリスマスイヴ(Christmas Eve)」と呼ばれています。
「クリスマス」は何の日かというと、「キリストの誕生日」ではありません。
「Chirist」はキリスト、「mas」はミサ(礼拝)で、「キリストのミサ」とは「キリスト降誕祭(生誕を祝う祭り)」を意味しています。
また、「Christmas Eve」は、「クリスマスの前日」とか「前夜」「前夜祭」と思われていますが、「Eve」というのは、夕方や晩を意味する「evening」の古語「even」の語末音が消失したものなので、「クリスマスイヴ」は「クリスマスの夜」という意味になります。
しかし、なぜ「クリスマスの夜」は25日ではなく、24日なのでしょうか。
それは、キリスト教では「教会暦」を用いており、「ユダヤ暦」を継承している「教会暦」は、日没が1日の変わり目になっているからなのです。
つまり、12月24日の日没後から「クリスマス」が始まって、25日の日没で終わりますから、「クリスマスの夜(クリスマスイヴ)」とは、「クリスマスの前日の夜」ではなく「クリスマス当日の夜」となるわけです。
そして、26日になれば、日本では早々に「クリスマスツリー」を片づけてお正月の飾りつけを始めますが、キリスト教では12月25日から1月5日までの12日間を「降誕節(こうたんせつ)」と呼んで「クリスマス」のお祝いをし、翌日6日にクリスマスツリーを片付けます。
また、日本の「クリスマス」には宗教的な意味合いは少なく、「クリスマスイヴ」にはフライドチキンやクリスマスケーキを食べて楽しく過ごすという、冬の一大「イベント」になっていますが、実は、どちらも大手企業による販売戦略によって習慣化された、日本独自の「クリスマス」になっているのです。
加えて、バブル期のテレビドラマや、クリスマスソングの影響を受けて、家族よりも恋人と過ごす日になっているのも日本独自です。
さて、このように独自の文化を築きながら親しまれてきた「クリスマス」ですが、いつから日本で「クリスマス」をするようになったのでしょうか。
それは、歴史の教科書でおなじみの「フランシスコ・ザビエル」が日本に持ち込んでからだと言われています。
イエズス会の宣教師として日本にキリスト教を布教したザビエルが、1552年に山口県で「降誕祭」を行ったのが最初だとされます。
その後、江戸時代にキリスト教は弾圧されましたが、明治時代に改めて「クリスマス」文化が到来し、それをいち早く生活に取り入れたのが、俳人の正岡子規だそうです。
それから、1926(大正15)年の12月25日に大正天皇が崩御され、1927(昭和2)年から12月25日が大正天皇祭(休日)と定められたことが、「クリスマス」を普及する機会となりました(1947(昭和22)年まで25日は休日でした)。
そして、昭和に入り、「クリスマス商戦」が過熱するようになって「クリスマス」は次第に日本独自のスタイルで定着していったのです。
このようにして、日本の「クリスマス」は、誰かと楽しく過ごすイベントとして定着してきた一方で、2010年頃から「クリぼっち(クリスマスに一人ぼっち)」という造語がSNSや若者の間で使われはじめました。
現在では、おひとり様で楽しむ「ソロ活」も増えて、必ずしも「一人=寂しい」ではなく、一人でも楽しめるようになってきています。
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「クリスマス」は寂しくなるのではなく、全ての人々の心が癒されることを願っています。
[ 一般社団法人 目白心理総合研究所 ]
臨床心理士 / 公認心理師 / キャリアコンサルタント / CEAP / EAPコンサルタント / CBT Therapist®︎ / CBT Professional(EAP) / CBT Extra Professional ®︎
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