2025/01/08
「一般社団法人 目白心理総合研究所」は、皆さまにブログを発信していくこととなりました。
ブログでは、研究所事業の柱でもある「EAP(従業員支援プログラム)」に関する情報のほか、研究所会員様のご紹介や研究所のニュースなど、さまざまな情報を発信していきますので、これからひとえにご愛読いただけますと幸いです。
まず第一回目は、「EAPとは?そのメリットについて」です。現代社会において、企業が従業員の「心身の健康をサポートする」重要性が高まり、そこから「EAP」が注目を浴びていますので、本記事では、EAPの歴史的背景や導入のメリット、そしてこれからの展望についてを解説していきます。
[EAPの歴史的背景]
EAPの起源は、20世紀半ばアメリカにおける、企業のアルコール依存症対策に遡ります。当時、生産性の低下や離職率の増加といった課題を抱えていた企業が、従業員の支援体制を整えることにより、問題解決を図ろうとしたのが始まりです。その後、ベトナム戦争帰還兵の後遺症ケアから、ストレスや精神疾患、家庭問題、キャリア相談などと、支援の広がりとともに法的な整備も進み、現在では従業員およびその家族の多様なニーズに対応できる包括的なプログラムとして進化を遂げてきました。日本では1980年代後半から導入され始め、現在は主に大企業において導入が進んでいます。
[EAPを導入するメリット]
- 従業員の健康と生産性の向上
EAPは、従業員及びその家族が抱える精神的・身体的な課題を早期に解決する手助けをします。これにより、アブセンティーイズムやプレゼンティーイズムが改善されて業務効率が向上し、このような健康的な職場環境が、従業員のモチベーション向上にも繋がります。 - 企業イメージの向上
従業員の福祉に配慮する企業姿勢は、社会的責任を果たす企業としての評価を高めてくれ、これにより、優秀な人材の採用や定着に繋がります。 - 管理監督者、経営層の安定
問題を抱える部下を持つ管理監督者の負担も計り知れません。EAPでは早期の解決を目指して「マネジメントコンサルテーション」をおこない、従業員のパフォーマンス低下を防いで、経営の安定化に繋げます。
[これからのEAP]
働き方が多様化し、雇用状況が激変する現代において、EAPもまた多様な対応を求められています。リモートワークの普及により、オンラインカウンセリングやデジタルツールを活用した支援、多文化対応、そして、ジェンダーに配慮した支援の提供も求められます。また、EAPはアメリカ発祥として、「外部EAP」と言われるアウトソージング型のEAP会社が殆どですが、産業保健体制が先に確立している日本の産業界においては、馴染まなかったり、ただ丸投げしている現状も多いといえます。
そこで、外部から補いながらも、内部で働く人事や産業保健スタッフの支援力を強化する「両輪型のEAP」が、今、日本において必要とされてきているのです。
目白心理総合研究所では、EAP導入に関するご相談も受け付けております。ご興味のある方はお問い合わせください。
目白心理総合研究所のEAP https://www.m-paa.org/eap_lp
執筆者:関麻子