保存食 ~ 必要は発明の母 ~

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保存食 ~ 必要は発明の母 ~

いざ、地震や台風などの災害が発生したときに必要となるのが「保存食」。

現代では、たくさんの缶詰やレトルト食品が販売されて、食品を長期に美味しく保存できるようになりましたね。

しかし、もともとの「保存食」とは、長期間、常温で置いても食べられるように工夫した食品のことをいいます。

さまざまな保存法のうち、もっとも原始的で種類が多いのは「干す」こと、すなわち「乾燥」です。

昆布やわかめなど、そのまま干す「素干し」と、アジやイワシなどの塩(水)につけてから干す「塩干し」に大別され、水分を抜くことで大量でも軽く、楽に運べるので重宝されました。

また、「加熱してから乾燥」させたり、高野豆腐のように「凍結して乾燥」させることで、より長くもたせる方法があります。

そして、「乾燥」と並んで多く見られる保存法が「塩蔵」と「発酵」です。

漬物や梅干しのように、塩で食材の水分を抜くだけでなく、付着する細菌からも水分を奪って保存する「塩蔵」と、チーズや熟れ鮨のように、有益な微生物や酵素の働きによる「発酵」で保存します。

そのほか、煙でいぶす「燻製」や、油、アルコール、砂糖、酢「漬け」にして、細菌の繁殖を妨げ保存してきました。

しかし、冷蔵庫のない時代では、これらの「保存」方法はすぐに味も栄養も落ちてしまいます。

かの有名なフランス皇帝ナポレオン・ボナパルトも、遠征における食料補給の問題に悩まされていました。

ナポレオンは、栄養豊富で新鮮・美味の兵食を大量に確保することが、 兵士達の士気の維持、高揚に不可欠だと考え、1795年フランス政府は保存性の優れた保存食のアイディアを募って懸賞をつけました。

その懸賞に応えた一介の料理人ニコラ・アペールが、1804年に長期保存可能な「瓶詰」を発明したのです。

「真空詰めした食物は殺菌加熱すれば長く保存できる。加熱が偉大な自然殺菌者である。 如何なる防腐剤も殺菌剤も熱にはかなわない」

しかし、瓶は重くて割れやすいという欠点があったので、1810年にイギリスのピーター・デュランドが、金属製容器に食品を入れる「缶詰」を発明して、現在の「缶詰」の原型が誕生しました。

その後、缶詰の重さや空き缶処理の問題を改善するために、1950年代に米国陸軍が缶詰にかわる軍用携帯食として「レトルト」食品を開発し、アポロ計画で宇宙食に採用されました。

ちなみに、日本では1969年、大塚食品工業(現、大塚食品)が、世界初の一般向けレトルト食品として「ボンカレー」を発売しています。

「3分温めるだけですぐ食べられる」という、保存性よりも簡便性を前面に打ち出したCMで、インスタント食品の一種として普及していきました。

そして、現代の保存食は、日常の食品だけでなく非常用の災害備蓄としても活躍し、災害大国日本において素晴らしい進化を遂げました。

水やお湯を注ぐだけでふっくらしたご飯が味わえるアルファ米、水で発熱する食事セット、長期保存可能なドッグフードなども開発されています。

お問い合わせは、ホームページ「お問い合わせ」からお気軽にお声がけください。

今年は「缶詰」が実用化されてから「220年」ですが、当時はまだ缶切りがなく、「斧とハンマーで開けてください」と注意書きされていたようです(缶切りの発明は1858年です)。



[ 一般社団法人 目白心理総合研究所 ]
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