2023/06/27
パニック ~ 牧神パンの仕業 ~ 。ギリシア(ギリシャ)神話は、おおよそ紀元前15世紀頃の古代ギリシアより語り継がれた伝承文化ですが、多くの神々が人間のように愛憎劇を繰り広げる物語は、哲学や芸術などの多方面に影響を与え、現代にもその名残を残しています。例えば、身体の部位に「英雄アキレスの弱点」から「アキレス腱」と名づけたり、病名や症状に「自分しか愛せなくなった美少年ナルキッソス」から「ナルシスト(自己愛)」「ナルコーシス(昏睡)」と名づけたり、そのほか薬や細菌、心理学用語にもみられます。心理学用語でいえば、「エディプスコンプレックス」や「エレクトラコンプレックス」「カサンドラ症候群」などは、お馴染みですよね。今回は、「パニック」や「パンデミック」の語源となった神「パン(パーン):Pan」をご紹介したいと思います。「パン」は、羊飼いと羊の群れを監視する牧神で、額にはヤギに似た2本の角、上半身は毛深く髭を生やし、下半身は2本のヤギの脚そのものの半人半獣の姿で、岩場も軽々と走り回れるほどの身体能力を持っていました。また、踊りと音楽が趣味で大変好色な牧神「パン」は、妖精(ニンフ)や美少年を追い回し、「エコー(エーコー):Ekho)」にも恋をしますが受け入れてもらえず、腹を立てて羊飼いたちに八つ裂きにさせ、バラバラになった「エコー」の声だけが「山びこ」として残ったという話があります。「エコー」は「山びこ」「こだま」、そして「医療機器」にも使われていますね。さて、このような牧神「パン」ですが、岩陰に横たわって昼寝をすることが好きでした。しかし、誰かが物音を立てたり、笛を吹いたりして安眠を妨げると「パン」の機嫌は著しく悪くなり、山々に響く大きな唸り声をあげて石を投げます。この怒りがあまりにも激しく恐ろしいものだったので、羊は荒れ狂い、羊飼いたちも恐れおののいたという話から、「パン」は、突然、混乱と恐怖をもたらす「パニック(panic)」の語源となりました。また、オリュンポスに怪物テュポーンが現れ襲われた際に、上半身がヤギ、下半身が魚の姿になって逃げたエピソードも有名ですが、本当は魚に変身して川に逃げ込もうとして、慌ててこの姿になったという慌てぶりからも「パニック」と呼ばれています。ちなみに、山羊座の「山羊」とはこの牧神「パン」のことで、この時の山羊と魚の姿が描かれています。また「パンデミック(pandemic)」という言葉は、「パン(全て)」と「デモス(人々)」の2つの古代の言葉から成り立ち、ギリシャ語の「パンデモス」が語源となっています。「パンデミック(感染症の世界的大流行)」もまた世界中を脅かし、人間の生命と生活が危機にさらされるので、本能的に駆られて「パニック」になります。生物の本能的視点からいえば、「パニック」は危機から脱出しようとする、緊急の生への衝動といえますが、この衝動が高じておさまらず、日常生活に支障をきたすと「パニック障害」になります。「パニック」になりやすい方は、プロフィールにありますホームページの「お問い合わせ」からお気軽にお声がけください。牧神「パン」の怒りに触れないように、一緒に彼と別れを告げましょう。[ Room Turn Blue ~ ルームターンブルー ~ ]臨床心理士 / 公認心理師 / キャリアコンサルタント / CEAP / EAPコンサルタント / CBT Therapist︎ / CBT Professional(EAP) / CBT Extra Professional ︎目白駅から徒歩2分池袋駅から徒歩10分
#認知行動療法
#カウンセリング
#心理学
#カウンセリング研修
#臨床心理士
#公認心理師
#セラピスト
#カウンセラー
#メンタルヘルス
#悩み事
#カウンセラー養成講座
#資格取得支援
#オンライン研修
#パニック
#パンデミック
#牧神パン
#ギリシャ神話
#エコー